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歯科と医科

 先日、ワーファリン服用患者様の全身状態、出血・止血状態の確認のため、ある病院の循環器医師に問い合わせをしました。その返事の内容に一部納得できないことがありました。まず、こちらが聞きたい出血・止血の状態(PT-INR値)が記されていないこと、ワーファリン服用患者様の抜歯はワーファリンの休薬が一般的との返事でした。一昔前ならうなずける内容ですが、現在は休薬による全身への危険性のため出血がよくコントロールされている(PT-INR値が3以下)患者様の場合は休薬をせずに、抗生剤の前投薬のもと、局所で止血を行うのが一般的になっています。
 大学病院勤務時代、有病者・易感染(免疫力低下)患者様の歯科治療に携わるチームに属していました。抗がん剤治療予定患者様や臓器移植予定患者の口腔内の徹底した感染源除去を医科の医師と協力して行っていました。
 口腔は全身の臓器の一つです。医科の医師ももう少し歯科(口腔内)に関心を持っていただきたいと思う今日この頃です。もちろん、私を含めて歯科医師は全身疾患についての最新の知識をもつ努力を怠ってはいけないと、痛切に感じています。身近で医科と歯科が協力して情報交換や勉強会ができる機会が多くあればばいいのですが。

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